プラスチック工業技術研究会主催
 第1216回 技術講座


■次世代射出成形加工のための温調回路設計と最適金型温度制御/成形トラブル対策
 実用 射出成形金型の温度制御

●サイクルアップ、精密安定成形(寸法バラツキ)、再現性、外観光沢、変形、そり、微細転写性など成形品の品質に大きく影響する温度制御と成形品品質とを関連づけ、実測温度を使った冷却計算など、実用本位に解説。  
●“キャビ温調”の有効性/温調投資による次世代射出成形/成形コストダウンを見直すチャンス!

・概要  成形金型の冷却手段は、射出成形の誕生からあまり進歩していません。いまでも大半の金型は、金型材の熱伝導特性を手段として冷却することを主体としています。従って熱伝導率の良い素材を使うことが精一杯の能動的冷却手段と言えます。
 本講座は、熱伝導に熱交換機能(流体を高速で流して熱を運ぶ)を加えて、 金型の新たな温度制御を提案します。
 キャビティに接近して温調穴を設けることを、どの金型にも適用するものとして、従来の成形トラブルの多くをおおよそ解消できることを温度制御から考察します。
 新たな射出成形金型の温調について、成形品品質との関連を実用本位に事例をまじえて解説します。成形コストダウンをめざした、究極のハイサイクル・ハイクオリティ成形に有益な一助!
 講師:渕田 忠正氏(プラ技研)

開催日時 ●東京会場――平成19年9月14日(金)開催 ●名古屋会場――平成19年10月5日(金)開催
・会場 総評会館(5階502会議室)
東京都千代田区神田駿河台3-2-11
TEL 03(3253)1771
JR御茶ノ水駅より徒歩5分、地下鉄丸の内線淡路町駅徒歩4分、千代田線新御茶ノ水駅B3徒歩0分
 会場地図
(財)名古屋国際センター(3階第2研修室)
名古屋市中村区那古野1−47−1
電話052(581)5678
JR名古屋駅より徒歩7分
地下鉄(桜通線)国際センター駅下車1分
 会場地図
・参加費 正会員(法人・個人)28,600円(テキスト、資料及び昼食代を含む)
一 般(会員外) 33,600円(テキスト、資料及び昼食代を含む)
担当講師 講義内容
10:30-16:30

プラ技研 所長
渕田 忠正氏

(日新工機鰍ナ長年にわたり生産技術部長として金型製作、成形技術、技術開発に携わる)









使用テキスト
より充実した、他にない貴重なテキストを作成。セミナー出席者のみ配布(講師の許可がなければセミナー参加者以外には頒布できません)






































1.射出成形金型の機能
(1)成形品形状を付与する機能――工作機械の進歩によって高精度キャビティが可能
(2)溶融材料を固化させる機能――冷却手段の進歩がない、しかしハイサイクル要求がある

2.「型温調」とは――金型全体を温度制御して、熱伝導で成形品を冷却する
 ●高精度成形では、キャビティの温度分布とサイクル毎の温度変化を小さくしたい。
(1)型温度の変動を小さくするには、型温調では大きな金型(熱容量が大きい)が得
(2)型温度はどこを測る。キャビティの温度はどこを、いつ計るか、何度が良いのか
(3)冷却とは――冷却過程は2段階があり、媒体が異なるので個別に冷却を考察する
  @型内の冷却――型材の鉄鋼は熱伝導率が大きいので急冷
  A離型後の冷却――大気中の放熱は、熱伝導と対流で冷却され型内に比して徐冷
*熱伝導冷却では、型温を低くすると冷却温度ムラが大きくなり成形精度が悪くなる/型温を高くすると熱移動量が小さくなり、冷却時間が長くなる/型温は、両者の折り合いで決められる。・・・どちらも不満。

3.「キャビ温調」とは――キャビティを直接温調して、熱伝導と熱交換技法で冷却する
  金型全体を指定温度にする「型温調」に対して、成形材料の流路とキャビティの近傍に温調穴を設け、熱交換流体を流し、熱伝導に熱交換機能を加えて、敏速に温度制御する手法で「キャビ温調」と仮称する。
  「キャビ温調」は、従来の「型温調」手法に比べると、数百倍の温度制御の敏速性を持ち、均等温度、キャビティ壁面温度を管理し、連続成形の熱安定性を維持するなど、熱調整能力を備えた温度制御が可能な手法である。
 「キャビ温調」の最も大きな特徴は、キャビティを高温化して、低温より早く溶融材料を固化することで、ハイサイクルかつ、ハイクオリティの成形を容易にすることである。
 <型の部分を別個に温度制御が可能なら>
(1)スプルーランナー:流動壁面を高温均一にして薄膜固化層をつくる
(2)充填完了時点  :キャビ壁部と内部との温度差は発生するが壁面外周は均一温度
(3)ゲートシール  :キャビ高温はシールが遅れ、保圧でシールする
(4)冷 却     :キャビ壁部と内部との温度差を想定して冷却時間を決める
(5)型閉〜射出  :流動エリアの温度回復を想定して次回の射出を開始する

4.「型温調」と「キャビ温調」の比較
  この比較は大変難しい。なぜなら「型温調」のキャビティ熱量、温度が算出されていない。金型の熱伝導と放熱の算出が価値を持っていなかったことによる。ここでは、1サイクルの成形品温度履歴を想像で比較することにとどめる。
 「キャビ温調」は、熱交換流体のIN温度とOUT温度から容易にキャビティ温度をとらえることができ、温度はおおよそ0.1〜1℃の範囲で確認できる。 
従って、「キャビ温調」の種々の効果検討では、数値で討議してテストをすることができる。

5.「キャビ温調」の未来像
 「キャビ温調」では、熱交換流体を流して熱移動を行うので、熱交換流体の高温・低温に関係なく、熱交換流体の流量を増減することで、固化速度を早く・遅くすることができる。このことは、樹脂特性や形状特性に見合った型温の選定が可能となり、従来の制限された成形条件から型温が除外される自由度の高い成形法が開発されると想像できる。型温の高低を考察する場合に、「型温調」と「キャビ温調」は相反する要素を持っている。
 従って、「キャビ温調」の実行に当たって、「型温調」構造と分離する断熱構造を如何に構成するかが大きな課題となるであろう。  

6.射出成形装置の温度環境材料
(1)成形材料――熱伝導率は0.15〜0.25(20℃)、加圧されると高い温度で固化する
(2)金型鋼材――熱伝導率は47(20℃)
(3)水   ――熱伝導率は0.52(20℃)、0.59(120℃)、動粘度は1(20℃)、0.25(120℃)である
(4)大気  ――熱伝導率は0.0221(20℃)

7.熱交換の理論――水の乱流を使用し、Re値を基準とした計算法
(1)流路の流れ方――層流Re0〜3000,………乱流Re10,000〜120,000
(2)流動抵抗計算――ポンプ圧と流動抵抗の計算
(3)熱交換計算 ――流量と成形前の戻り温度と成形開始の戻り温度の差
 
8.「キャビ温調」型の実務――型の穴に水を流す穴は大きい方がよいか、小さい方がよいか
(1)温調穴の設計――Rで方向変更する流路、一筆書きの流路、耐熱オーリング/キャビ壁と等距離、均等分布、相互距離
(2)流体温度の計測――測定単位、160℃の耐熱温度計、経時計測の必要性
(3)流量計測と流速計算――温調機の複数出口と複数戻り口、流量から流速を算出
(4)熱交換量の計算――計算値と実態比較、絶対値と比較対象値の工夫

9.「キャビ温調」構造を支える加工技術と事例
(1)金属接合による流路――「拡散接合」と呼ばれている接合
(2)キャビブロックの断熱――局部温調と断熱工夫による均等温調
(3)製品と相似形状キャビティ――キャビブロックの熱伝導と放熱の均一性を利用
(4)流路切り替え装置――2種の温度を流す温調
(5)局所温調機器――ヒーター、ヒートパイプ、埋め込み式流路チップ

10.高精度成形とハイサイクル成形の実現――成形品各部の固化時間と密度を一致させることができるか
(1)樹脂の均一溶融       (2)キャビティ充填過程の局部固化
(3)成形品形状の不均一な体積分布(4)保圧過程と冷却過程に起きる固化
(5)離型後の大気中放熱

11.熱交換機能によるハイテクノロジー成形――必要な時に必要な場所を必要な温度環境にする/熱交換流体を2〜3種類用意し、必要な時期に高速で切り替える温調システム
(1)充填過程の高温流路とキャビティ (2)保圧・冷却過程の固化温度

12.「キャビ温調」の共同開発
(1)温調機の改善と改良   (2)周辺機器の開発

質疑応答(午前・午後)/技術相談など

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主催:プラスチック工業技術研究会
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TEL03(3815)5715/FAX03(3818)6809
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